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送別会で定年退職する上司に決して言ってはいけない言葉とは

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定年退職する上司の送別会。最後のお別れですから、これまでお世話になった感謝の気持ちを伝えます。そこでお別れメッセージとして一般的といえば一般的なのですが、決して言ってはいけない一言があるんです。

それは「頑張ってください」の言葉。

なぜいけないのか?その理由を説明していきましょう。

目上の人に「頑張って」は失礼

そもそも「頑張って」は、相手を激励するための呼びかけ。自分と同等の相手か、もしくは目下の相手に対して使う励ましの言葉です。「頑張って」に「ください」を付けたところで、失礼であることには変わりありません。ですから一回りも二回りも年下の部下から「頑張って」と言われると、「生意気な奴だな」と捉えられても仕方がないのです。

若い世代と定年退職する世代とのジェネレーションギャップもありますから、メッセージは相手に寄り添った感覚で考えましょう。日本語の微妙なニュアンスについては、上世代の人の方が詳しいです。できるだけ正確な日本語を使うように心がけるべきですね。

定年退職するのに、何を「頑張る」の?

退職する上司にとって、定年とは会社からリタイヤ宣告されているようなもの。まだまだバリバリ現役でやっていける体力もバイタリティもあるのにもかかわらずです。退職後次の働き口が決まっている上司なら、新たな目標に向けて「よし、やるぞ!」という前向きな姿勢でいるかもしれません。でも退職後に何の予定もなくリタイヤ生活に向かう場合、「来月から何をしよう」と漠然とした不安を抱えている人も少なくないはずです。

そんなモヤモヤした心理状態のときに、まだまだ現役の部下から「頑張って」と言われては、「何を頑張るんだ?」とイラっとしてしまうのも分かる気がしますよね。

年齢も地位も上の立場の上司が、今後もまだまだ現役が続く部下に嫉妬してしまうのです。だから悪気なく発した「頑張ってください」の一言が、嫌味に聞こえてしまうのかもしれませんね。

安易な「頑張って」メッセージの問題点

目上の人相手に限らず、挨拶程度のノリで「頑張って」と使ってしまいがちですよね。しかしそもそも無責任に「頑張って」と他人に伝えること自体、違和感を覚える慣習です。

相手が頑張るかどうかは、その人自身の問題。こちらから言えることは、せめて「頑張っている素敵なあなたを期待している」だったり、「これからも頑張っていられることを祈っている」ですよね。

相手の頑張りについてとやかくもの申すよりも、自分の気持ちを素直に伝えるほうが自然です。

「ご健闘をお祈りしています」「陰ながら応援しています」なら、目上の人に言っても失礼な感じはありません。どうしても相手の頑張りに言及したいなら、こうした謙虚なメッセージを伝えましょう。

頑張り屋さんに「頑張れ」は危険

自分に厳しい頑張り屋さん気質の人に「頑張れ」という声掛けは、非情に危険だということを知っていますか?先述した「ご健闘をお祈りしています」「陰ながら応援しています」など、過度の期待を伝えることもよくありません。

なぜかというと頑張り屋さんの人は、自分の心身が壊れてしまうほど、限界を超えて頑張ってしまう性質があるからです。気持ちは「まだまだ行ける」と思っていても、身体と心には確実に無理が生じます。気付かないうちに疲労とストレスが蓄積し、気づいたときには取り返しつかないほど身体に異常をきたしていたり、ストレスからうつ病やパニック障害を引き起こしてしまったりするのです。

現にうつ病を患う人は、本来真面目で責任感の強い頑張り屋さん、また人の頼みを断れない、周りから評判のいい人がほとんどです。

相手の本当の性格ってよくわからないですから、安易に「頑張れ」とメッセージを送ることはあまり勧められるものではありませんね。

「頑張ってください」以外に何を伝えるか

目上の人であってもなくても、送別会で送るメッセージは感謝の気持ちから始まり、相手を労う言葉で締めくくりたいですよね。問題の多い「頑張ってください」にかわる言葉を選ぶなら、「ご自愛ください」という日本語が美しく、負担にも失礼にもならずお勧めです。

健康な人も身体が弱い人も、老若男女問わず身体には気を付けなくてはいけません。相手の身体を心配することは、相手を大切に思う気持ちを自然に伝えることができます。

同じような意味で「お元気で」という言葉がありますが、こちらはどうも「バイバイ」の意味合いが強くなりますよね。日本の会話には馴染みにくいですし、控えめに「ご自愛ください」の方がよいでしょう。

送別会でのメッセージの伝え方

送別会で直接会話ができる機会があればよいのですが、参加人数が多くてなかなか面と向かって個別に話をすることができないというシチュエーションもあるでしょう。そんなときは、メッセージカードをお渡しするのもひとつの手です。

また送る側の代表としてスピーチを頼まれた場合は、緊張してうっかり「頑張ってください」と口走ってしまうことのないよう、前も持って原稿を考えておきましょう。覚えてしまうくらい内容を頭に入れて、本番では原稿にプラス、当日の気持ちを合わせて伝えられるといいですね。

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